さて質問です。
色々と教えてもらったのに継続できない。
そもそも、教えてもらったことを覚えていない。
結局、何が重要なのか分からない。
――そんな経験、ありませんか?
「いいことを聞いた!」と思っても、いざ時間が経つと、あの時の感動や学びがどこかへ消えてしまっている。
せっかく大切な話を聞いたのに、数日後にはほとんど覚えていない。これは実にもったいないことです。
学んだ内容を記憶していないというのは、単純に“損”です。
なぜなら、「学び」とは積み重ねることで効果を発揮するものであり、忘れてしまえば、またゼロからやり直しになってしまうからです。
トレーニングでも同じことが言えます。
どれだけ良いフォームを教わっても、それを思い出せなければ意味がない。どれだけ意識したつもりでも、体が覚えていなければ再現できない。
でも安心してください。
実は「人は忘れていく生き物」なのです。これは怠けているからではなく、脳の仕組み上、自然なこと。
脳は限られた容量の中で、必要だと判断した情報だけを残そうとするため、重要性を感じなかった情報や繰り返されなかった情報はどんどん消えていきます。
つまり、あなたの記憶が悪いわけではなく、脳が“効率的に整理”しているだけなのです。
ただし、この仕組みを理解していれば、「忘れない工夫」を作ることができます。
例えば学校のテストを思い出してください。
みんなが一度習った内容を忘れていく中で、コツコツ復習した人だけがテストで高得点を取りますよね。
それとまったく同じで、トレーニングや仕事の場でも「覚えている人」「再現できる人」は確実に成果を出すのです。
この“記憶の再現性”が、トレーニングでもビジネスでも成功のカギになります。
これを読むことで、なぜ人は大事なことを忘れてしまうのかが理解でき、「忘れない工夫」を実践できるようになります。
そしてトレーナーや指導者であれば、選手やクライアントにより効果的なアプローチができ、結果として「成果を出せる指導者」へと成長できるでしょう。
ここで紹介する内容は、トレーニングや教育の現場で非常に重要な考え方であり、**ニーズトレーニングメソッド(NTM)**においても、中心となる哲学のひとつです。
これらのコンセプトを常に頭に入れておくことで、指導の効率は格段に上がり、クライアントに与える効果も最大化されます。
「基本コンセプトを正しく理解し、実践することで、指導の効率が上がり、最大限にその効果を感じることができる。」
――これはNTMが一貫して伝えている核心です。
では、その基本コンセプトを簡単に整理してみましょう。
● 人は忘れていく生き物ですよ。
人間の脳は「忘れる」ようにできています。エビングハウスの忘却曲線という研究でも示されている通り、人は1日後には約70%の情報を忘れます。
つまり、放っておけばすぐに忘れるのが当たり前。だからこそ、繰り返し復習し、思い出す“仕組み”を作ることが大事です。
トレーニングでも「週1回教えて終わり」ではなく、毎回のセッションで前回の内容を振り返ることが、定着の鍵になります。
● 学習はインプットの後のアウトプットで効率が上がりますよ。
知識を「聞いた」「読んだ」だけでは身につきません。人は実際に“やってみて”初めて記憶が定着します。
たとえばスクワットを教わったときも、フォームを見て終わるのではなく、自分で実際に動いて、感じて、修正してみる。
これが本当の学びです。アウトプットの量が多いほど、学習の質は上がります。
● 人が学習していくのには順番がありますよ。
いきなり応用や発展的な内容を理解しようとしても、土台がなければ崩れてしまいます。
動作も同じで、「立つ」「歩く」「しゃがむ」といった基本的な運動パターンをマスターしてから、負荷やスピードを加えることが重要です。
順番を無視した学びは、結局遠回りになります。
● 複雑なことをシンプルに考えることが重要ですよ。
トレーニング理論は奥が深く、難しく聞こえるものが多いですが、要点は意外とシンプルです。
複雑な専門用語よりも、「なぜそれをやるのか」「どこを意識するのか」を明確にすること。
この“シンプル思考”こそ、現場で強いトレーナーになるための基本スキルです。
● 基本ができてから応用ができますよ。
「応用をしたいなら、まず基本を極めること」。
これはスポーツでも、ビジネスでも、人生でも同じです。
基本動作の質が上がれば、どんな負荷にも対応できる。応用の安定は、基本の徹底からしか生まれません。
これらの5つは、NTMの基本コンセプトを断片的に表したものですが、どれも単なるスローガンではなく、現場で結果を出すための哲学です。
そしてこれは、トレーニング指導者だけでなく、教育者・上司・保護者など「人を育てる立場にあるすべての人」に共通して役立つ考え方でもあります。
たとえば、お子さんが勉強を覚えられないとき。
「なんで覚えないの!」と叱るより、「どうすれば覚えやすくなるか?」を考えること。
繰り返す・実践する・順序立てる――これらを意識すれば、学びの質は大きく変わります。
ビジネスでも同じです。
新しいことを教えても部下ができないとき、単に「理解していない」のではなく「定着していない」だけかもしれません。
この視点を持つと、教え方の質もぐっと上がります。
ニーズトレーニングメソッドは、トレーニングの枠を超えて「人の学び方」を体系化した考え方でもあります。
だからこそ、クライアントの身体だけでなく、思考や行動までも変わっていくのです。
次回は、この「基本コンセプト」をより具体的に掘り下げ、どうやって現場で活かすのかを詳しくお伝えします。
トレーニングを“教える”側も“受ける”側も、学び方を知ることで、成長スピードは確実に変わります。
覚えている人は、強い。
そして、忘れない仕組みを作る人は、もっと強い。
それが、NTMが伝えたい「真の学習効率化」の考え方です。
【エビングハウスの忘却曲線】

人は、忘れていく生き物です。
そう言われると、少しショックに感じるかもしれませんが、これは真実です。
私たちは何かを「覚えた!」と思っても、実はその直後からどんどん忘れていきます。
心理学者ヘルマン・エビングハウスが発表した有名な「忘却曲線」によると、人は覚えた内容の約40%をわずか20分後には忘れてしまうと言われています。
さらに、1日経つと約70%、そして1週間も経つころには実に75%以上を忘れてしまうのです。
つまり、あなたが1週間に1度しか会わないクライアントや選手に「前回教えたストレッチ、覚えていますか?」と尋ねても、「……あれ、なんでしたっけ?」という反応になるのは当然のこと。
これはやる気の問題ではなく、脳の仕組みそのものなのです。
この現象は、スポーツの現場やトレーニング指導の現場でも日常的に起きています。
昨日教えたウォームアップの動き、3日前に伝えたスイングの修正点、1週間前に説明した体幹トレーニングの意識ポイント――。
トレーナーやコーチとしては「なんで覚えてないの?」「昨日あれだけ説明したのに!」と思ってしまうこともあるでしょう。
実際、僕自身も現場で何度も同じフレーズを言いながら、「どうして伝わらないんだろう?」と感じた経験があります。
でも、そこで大切なのは「クライアントのせいにしないこと」。
なぜなら、人は忘れるようにできているからです。
「忘れる」という行為は、怠けでも能力不足でもなく、むしろ“生きるために備わった能力”なのです。
私たちの脳は、1秒間に数千億ビットもの情報を受け取っているといわれています。
その中から実際に処理されるのは、わずか数千ビット程度。
つまり、脳は瞬間瞬間で「何を残し、何を忘れるか」を取捨選択しているのです。
生命の危機や感情の強い体験など、重要度の高い情報は優先的に保存されますが、日常的で繰り返しの少ない情報は自動的に削除されていきます。
だから、昨日の晩ごはんのメニューを思い出せなくても、交通事故の瞬間の記憶だけは鮮明に残る。
これが脳の“生存戦略”です。
つまり、**忘れることは「能力」**なのです。
私たちは、全てを覚えていたら脳がパンクしてしまう。
忘れることができるからこそ、今を生き、明日へ進むことができるのです。
さて、ここでトレーナーや指導者の皆さんに考えてほしいことがあります。
クライアントがトレーニング内容を忘れていたとき、つい「やる気がないのかな?」「集中してないんじゃない?」と思ってしまう瞬間、ありませんか?
そのときこそ、この「エビングハウスの忘却曲線」を思い出してください。
忘れることは自然なこと。
問題は、「どうすれば忘れにくくするか」です。
「人は忘れる生き物だ」と理解した上で、指導者側が**“忘れさせない工夫”**をすることが大切なのです。
例えば、野球選手が「肩のストレッチを忘れても仕方ない」と言ってしまったら、パフォーマンスの維持どころか、怪我のリスクまで高まります。
だからこそ、忘れないための努力が必要になります。
では、どうすれば記憶を定着させられるのか?
ニーズトレーニングメソッド(NTM)では、この「忘れない仕組みづくり」を非常に重視しています。
ただ教えるだけでなく、**“記憶に残る教え方”**を徹底的に追求しているのです。
たとえば、こんな工夫があります。
- シンプルで重要なキーワードを何度も繰り返し伝える。
- クライアントにメモを取ってもらい、定期的に見返してもらう。
- トレーニング後のフィードバックで「今日のポイントは何でしたか?」と“思い出す時間”を設ける。
これらは一見地味ですが、非常に効果的です。
人は“忘れる前に思い出す”ことで、記憶が強化されます。
これはまさに脳の「再固定化(リコンソリデーション)」という仕組みを利用した学習法です。
また、記憶を定着させるには「五感」を使うことも重要です。
- ビジュアル(視覚):動画や図でイメージをつかむ
- オーディオ(聴覚):トレーナーの声やリズムで感覚をつかむ
- アクション(運動):実際に動きながら身体で覚える
- スピーキング(言語化):自分の言葉で説明することで理解が深まる
- シェア(他者交流):ディスカッションや発表を通して再確認する
こうした「五感×アウトプット」の組み合わせが、記憶の定着を飛躍的に高めます。
たとえば、あるジュニア野球チームでNTMを導入した際、ただストレッチを教えるだけでなく、選手自身に「今日の目的」と「感じた変化」を声に出してもらうようにしたところ、翌週の定着率が約2倍に向上しました。
人は“自分の言葉で説明できたこと”しか、本当の意味で理解していないのです。
このように、同じトレーニング内容でも、脳と身体にどう定着させるかで成果は劇的に変わります。
NTMでは、これを「動作の再教育」と呼びます。
単に筋肉を動かすのではなく、「動きを覚える」「身体に刻む」――このプロセスが、継続的な成長を支える土台になります。
この考え方は、次に紹介する【学習定着率】の内容とも深く関係しています。
「忘れる前に思い出す」「繰り返しを意識する」「体感とセットで教える」――
それが、記憶を“知識から習慣”へ変える鍵となるのです。
ニーズトレーニングメソッド(NTM)では、トレーナー一人ひとりがこの「記憶定着の科学」を理解し、現場で活用しています。
スタッフ研修では、「どう教えるか」だけでなく、「どう覚えてもらうか」をテーマに徹底的にトレーニングします。
NTMは、身体を見る前に“人間の脳”を理解する。
これが、成果を生み出し続ける秘密です。
教える技術 × 忘れさせない工夫 × 繰り返しの仕組み。
この3つが揃ったとき、クライアントは驚くほど速く変化していきます。
そして、それこそが――
ニーズトレーニングメソッドが10年以上にわたり、神戸・六甲道のトレーニング現場で結果を出し続けている理由なのです。
【おまけの話】
少しだけ、真面目な話から離れて“おまけの話”をしましょう。
僕がアメリカでトレーニングを学んでいた頃、指導者の間でよく言われていた言葉があります。
それは、「教えることは、2回学ぶことだ(To teach is to learn twice)」 という言葉です。
最初は意味がピンと来ませんでした。
でも、現場で多くの選手を見ていくうちに、次第にこの言葉の本質が分かってきたんです。
人に教えるということは、単に知識を伝える作業ではなく、自分の理解を確認する行為でもある。
つまり「教えることで、初めて自分の学びが完成する」ということです。
日本に戻ってからもこの考えはずっと自分の中にあります。
六甲道のNeeDSで若手トレーナーを育てている今でも、スタッフにはよく言います。
「誰かに伝える準備をして初めて、自分の理解が深まるんだ」と。
トレーニング理論も、身体の動きも、最初は“知っている”レベルで終わりがちです。
でも、その知識を誰かに説明できるようになると、“理解している”レベルに上がる。
そして、その説明が「相手の変化」につながると、“体得している”レベルに到達します。
これこそが、学びの真の三段階です。
たとえば、ある若手トレーナーが最初に教えてもらったスクワットの動作指導。
最初は「膝が前に出ないように」「股関節から曲げる」と言葉で覚えます。
でも、次第に「なぜ膝が出るのか」「どうすれば動きが変わるのか」と、考えが深まっていきます。
そして、自分のクライアントに同じ説明をして、実際に動きが改善した瞬間――そのとき初めて、「あ、これが本当に理解したってことなんだ」と実感するんです。
この“伝えることで深まる学び”は、クライアントにも同じように起こります。
自分の体について説明できるようになった人ほど、動作が安定し、トレーニングの成果が持続します。
これは脳科学的にも裏づけがあります。
言葉で整理し、他人に説明することで、脳の前頭前野が活性化し、記憶が長期化する。
つまり、「説明できる=忘れにくい」状態になるのです。
だから、僕はトレーニングの現場でよくクライアントにこう聞きます。
「今の動きで意識したポイントは何でしたか?」
「どうしてそのフォームが良いと思いますか?」
一見、答えづらい質問に思えるかもしれませんが、実はこの“考える時間”こそが学習のゴールデンタイムなんです。
面白いのは、この「考えて説明する力」が、スポーツの技術や身体づくり以外にも応用できるということ。
仕事でも、人間関係でも、学び方の本質は同じです。
結局、「理解 → 実践 → 説明(アウトプット)」のサイクルを回せる人が、一番成長します。
つまり、トレーニングの成果とは「筋肉の変化」だけでなく、「思考の変化」でもあるんです。
身体の変化は鏡に映りますが、思考の変化は日々の行動や言葉に表れます。
「やらされているトレーニング」から「自分で考えて動くトレーニング」に変わったとき、人は一気に伸びます。
NeeDSでは、そんな“考えるトレーニング”を全スタッフが意識しています。
だからこそ、どのトレーナーも「伝え上手」であり「学び上手」なんです。
そして、クライアント自身が“自分の体を説明できる人”になる。
これが、僕たちの目指す最終ゴールです。
もしこの記事を読んで、「あ、自分も覚えたことをすぐ忘れてるかも」「もっと効率よく成長したい」と思った方がいれば、ぜひ一度NeeDSのトレーニングを体験してみてください。
そこには、単なる筋トレではなく、“学びの仕組み”が隠れています。
神戸・六甲道で、今日もひとりひとりの可能性を伸ばすために、僕たちは教え、学び続けています。
そして、忘れないために――何度でも繰り返します。
「覚える努力より、思い出す工夫を。」
それが、ニーズトレーニングメソッドの真髄です。
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無理なく、無駄無く、負担なく、
最高のパフォーマンスを引き出す
《ニーズトレーニングメソッド》
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