〜NeeDSメソッドの始まりは「立つこと」から〜
神戸・六甲道のパーソナルトレーニングジムNeeDSでは、すべてのトレーニングセッションの冒頭に、必ず「スタンディングストレッチ」を行います。これは単なるウォーミングアップではなく、「今日の自分の身体を感じる時間」であり、NeeDSメソッドにおける最も大切なルーティンのひとつです。
トレーニングを始める前に、まず立つ。そして、首から足首まで、全身の関節をひとつずつ丁寧に動かす。
それだけで、身体の状態、筋肉の張り、左右差、動きの滑らかさ、痛みの有無など、驚くほど多くの情報が得られます。
スタンディングストレッチの目的は、単に筋肉を温めることではなく「全身の連動性と感覚を取り戻すこと」。日常生活の中で固まりやすい関節をひとつずつ動かし、体のスイッチを“ON”にしていく時間です。
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■ 客観と主観、両方で身体をチェックする
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NeeDSメソッドでは、トレーナーの客観的な評価だけでなく、クライアント自身の主観的な感覚も重視します。
「違和感はありませんか?」「左右どちらが動かしづらいですか?」といった質問を交えながら、トレーナーとクライアントが対話する時間をつくります。
この時間は、ウォーミングアップでありながら「初回のカウンセリング」でもあります。
初めて来店された方が「今日は何をされるんだろう」と不安を抱いているとき、この対話を通じて安心感と信頼が生まれます。
NeeDSでは、このコミュニケーションの瞬間をとても大切にしています。
また、トレーナーは動作を見ながら「代償動作」や「正中線の崩れ」などを観察します。
片方の肩だけが上がる、股関節を動かすと腰が反る、足首を動かすと膝がブレる——。
そうした小さな動きのクセは、怪我のリスクやパフォーマンス低下のサインです。
だからこそ、スタンディングストレッチは、トレーニング前の“身体の健康診断”でもあるのです。
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■ 実施方法とチェックの流れ
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- 鏡の前に立ち、まず「正しい立位姿勢」を確認します。
足の裏の3点(拇指球・小趾球・踵)でしっかりと立てているか。
骨盤の傾きや肩の高さに左右差がないか。
ここで姿勢が整っていなければ、どんなに正しい動きをしても意味がありません。 - その後、首→肩→体幹→股関節→膝→足関節の順に、単関節的に5回ずつ(3〜10回で調整)動かします。
各部位を動かす際は「どこを動かすか」を明確に意識し、他の部位が一緒に動かないように抑えることがポイントです。 - トレーナーは「初動の代償」「動作のリズム」「正中線の安定性」を観察。
必要に応じてデモンストレーションを行い、立ち位置にも配慮します。 - 評価の基準はNeeDS独自の「5S」指標。
シンメトリック(左右対称)/シンクロ(連動性)/スムーズ(滑らかさ)/シンプル(無駄のない動き)/ストロング(安定した強さ)
この5つの観点で、動きの美しさとバランスを評価します。 - 主観的な確認も忘れずに行います。
「今の動きはやりづらかったですか?」「どこか違和感はありましたか?」
こうした質問は、クライアントが自分の身体と向き合うきっかけになります。 - 痛みや不快感が出た場合は、すぐにその部位の動作を中止し、別の方法で調整を行います。
目的は“無理をすること”ではなく、“状態を知ること”。
全体の所要時間は3〜5分。初回や状態確認を兼ねる場合は5〜10分かけても構いません。
トレーニングの前にほんの数分この時間を取るだけで、その日のコンディションの見極めが格段に精度を増します。
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■ NeeDSメソッドにおける役割
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スタンディングストレッチは、NeeDSメソッドの中で「観察と修正の入口」にあたる重要なフェーズです。
姿勢や動作を評価し、その情報をもとに今日のトレーニング内容を調整します。
例えば、右肩の可動が硬ければ上肢の種目を軽めに設定し、下半身に重点を置く。
股関節の動きが鈍ければ、スライドスクワットなどのベースエクササイズを中心に組み立てる。
このように、毎回のストレッチ結果が、その日のメニュー全体の“設計図”になります。
そしてもうひとつ大切なのは、トレーナーとクライアントの信頼関係を築くこと。
スタンディングストレッチを通じて「今日は調子がいい」「少し腰が重い」といった会話が自然に生まれ、互いの理解が深まります。
トレーニングは“人と人”の関係の上に成り立つもの。
だからこそ、この最初の数分がとても価値のある時間になるのです。
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■ まとめ
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スタンディングストレッチは、神戸・六甲道NeeDSジムの全クライアントに共通する“最初の儀式”です。
身体の状態を整えるだけでなく、「自分の身体を感じる力」を育てる時間。
その日その瞬間のコンディションを正しく把握し、より安全で効果的なトレーニングへと導きます。
ただ動かすだけではなく、「どう動かしているか」「どんな感覚があるか」を意識すること。
それがNeeDSメソッドにおける“スタンディングストレッチ”の真の目的です。
【おまけ:立つことから始まる物語 ― スタンディングストレッチ誕生秘話】
トレーニングの世界に長くいると、どうしても「特別なこと」に目が行きがちです。
最新の器具、難しいメニュー、SNSでバズっている派手なトレーニング法…。
でも本当に大切なことは、案外シンプルなところにある。
この「スタンディングストレッチ」も、まさにそんな原点回帰の中から生まれました。
今ではNeeDSの全店舗で欠かせない“最初の儀式”となっていますが、実は最初からあったわけではありません。
ある日、ふとした閃きから始まった小さな工夫が、今ではNeeDSメソッドの中でもっとも重要な要素の一つになっています。
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■ 始まりは一人のトレーナーの「違和感」から
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中務がプロ野球チームのトレーナーをしていた頃、ある疑問を抱きました。
「同じ選手でも、日によって全然違う動きをするのはなぜだろう?」
選手たちは毎日練習を繰り返しているのに、ある日はキレが良く、ある日はどこか重い。
フォームを変えたわけでも、筋力が急に落ちたわけでもない。
けれど、明らかに“動きの質”が違う。
その原因を探るために、あらゆる測定をしても答えが出ませんでした。
しかし、ある日ふと気づいたのです。
「そもそも、その日の“立ち方”が違うんじゃないか?」
練習前に選手たちの姿勢を観察すると、ある選手は少し片足に体重をかけ、ある選手は肩が下がっている。
たったそれだけの違いが、パフォーマンス全体に影響していたのです。
そこから、彼は選手たちにまず“立ってもらう”ことから始めました。
「今日はどんな感じで立ってる?」
そんな何気ない会話が、身体のチェックになり、選手との信頼関係にもつながっていきました。
このときの経験が、後の「スタンディングストレッチ」誕生につながります。
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■ シンプルすぎて驚かれた“目の付け所”
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ある日、当時チームにいた別のトレーナーが中務の様子を見て、思わず笑いながら言いました。
「え、立たせてるだけ? それだけで変わるんですか?」
しかし、選手の身体の変化を見てその表情は一変。
「本当に動きが違う…。立たせ方でここまで変わるのか。」
プロ野球の世界では、毎日数百スイング、何百回の投球を繰り返します。
その中で“立つ”という基本姿勢を見落としてしまうことは意外に多い。
でも中務は、そこにこそ本質があると確信していました。
「難しいことを積み上げる前に、まずは“正しく立つ”。」
この考え方こそ、NeeDSメソッドの根幹です。
六甲道や神戸のパーソナルジムには、トレーナー経験者や専門家が体験に来ることも多いのですが、その多くが口を揃えてこう言います。
「最初のこのチェック、すごく理にかなってますね。シンプルだけど深い。」
実はこの方法、トレーニング初心者よりも、むしろ“玄人”に好まれます。
経験を積むほど、シンプルなものの価値がわかる。
「立つ」という原点の中に、身体のすべてが詰まっているのです。
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■ 閃きの瞬間は“ある日突然”やってきた
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現在のスタンディングストレッチの形ができたのは、神戸・六甲道店がオープンして間もない頃。
日々多くのクライアントを指導する中で、中務の頭の中に一つの悩みがありました。
「もっと短時間で、その人の状態を正確に把握できる方法はないか?」
筋力テストや関節可動域測定など、専門的な評価方法はいくつもあります。
しかしそれらはどうしても時間がかかり、初回のトレーニングではクライアントが緊張してしまうことも多い。
もっと“自然に”、日常の延長線上で、身体の状態を確認できる方法はないか。
そんなある日、セッション中にある女性クライアントが鏡の前でストレッチをしていたとき、ふとした瞬間に中務は気づきました。
「立ったまま全身を動かせばいい。寝転ばなくても、十分に身体は語る。」
その日から、スタンディングストレッチが始まりました。
特別な器具も使わず、時間も3〜5分程度。
立ったまま、首・肩・体幹・股関節・膝・足首を順番に動かすだけ。
それでも、クライアントのコンディションが手に取るようにわかる。
最初の数回は試行錯誤の連続でしたが、回を重ねるごとに確信が深まりました。
「これは絶対に残すべきだ。」
今では全店舗、全トレーナーがこのストレッチを行い、NeeDSメソッドの“最初の挨拶”として定着しています。
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■ 最初の挨拶、そしてコミュニケーションの時間
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スタンディングストレッチは、トレーナーとクライアントの最初の会話でもあります。
「今日は肩の調子どうですか?」
「昨日のゴルフラウンドの疲れ、残ってませんか?」
「最近よく眠れていますか?」
たった数分の動作の中に、相手の生活リズムや身体の変化、メンタルの状態まで見えてきます。
中務はこれを“トレーニング前の挨拶”と呼びます。
ただのストレッチではなく、「こんにちは、今日もよろしくお願いします」という想いを形にしたもの。
この数分間のコミュニケーションがあることで、クライアントは安心し、信頼関係が深まります。
逆に、これを省いていきなりトレーニングに入ると、どうしても心と身体の準備が整わないまま動くことになってしまう。
だからNeeDSでは、たとえ忙しい日でも、必ずこの「最初の3分」を大切にしています。
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■ シンプルだけど、すべてを見抜く時間
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現代は「効率」「時短」「即結果」という言葉があふれています。
でも、本当の効率とは“急がずに整えること”です。
スタンディングストレッチは、まさにそれを体現しています。
立って動くだけ。
けれど、その中には関節の可動、筋肉の反応、神経のつながり、バランスの感覚、そして心の状態までもが映し出されます。
トレーナーが見るのは単なる動作ではなく、“その日の身体の物語”です。
「今日は右の股関節が硬いですね。」
「いつもより肩が軽く見えますね。」
そんな何気ないやり取りの中に、クライアントの小さな変化が積み重なり、成長と信頼が生まれていきます。
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■ 日常に通じる「立つ」という行為の大切さ
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日々の生活でも、私たちは常に“立つ”という動作を繰り返しています。
朝起きて立ち上がる、電車で立つ、デスクから立つ、ゴルフのアドレスを取る、野球の打席に立つ――。
すべての始まりは「立つ」ことから。
だからこそ、スタンディングストレッチは単なるジムのルーティンではなく、日常を見直すきっかけにもなります。
立ち方が変われば、歩き方が変わる。
歩き方が変われば、姿勢が変わる。
姿勢が変われば、人生の見え方さえ変わる。
NeeDSのトレーニングは、そんな“人生を変える一歩”を立つことから始めています。
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■ 終わりに:立つことで、すべてが整う
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スタンディングストレッチは、ただの準備運動ではありません。
中務が長年の現場経験の中で試行錯誤を重ね、ようやくたどり着いた「身体と心をつなぐ最初の儀式」。
それは、シンプルだけど奥深く、誰にでもできるけれど、見よう見まねでは再現できない。
プロ野球の現場で見えた“立つことの力”。
六甲道のジムで磨かれた“観察と感覚の技術”。
そして、今ではNeeDSの文化として受け継がれている“挨拶のようなトレーニング”。
今日もジムでは、クライアントが鏡の前に立ち、静かに身体を動かし始めます。
それはまるで、今日一日のスタートを切る“祈り”のよう。
スタンディングストレッチは、身体を整えるだけでなく、心を整える。
そしてトレーナーとクライアントを結び、人生を豊かにする。
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「すべては、立つことから始まる。」
その言葉どおり、NeeDSメソッドの原点には、立つという一瞬の中に込められた“中務の哲学”が息づいています。
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