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トレーナーが持つべき視点「視点フロー」と「イメージライン」

  ~トレーナーが持つべき“見る力”とは?〜

トレーニングを指導しているとき、あなたは「どこ」を見ていますか?

フォーム?動き?表情? それとも姿勢の歪み?

実は、トレーナーにとって「どこを見るか」「どんな順番で見るか」はとても大切なことです。

この“見る順番”を持たないまま指導してしまうと、クライアントの動きを正確に評価できなかったり、重要なポイントを見逃してしまうことがあります。

ニーズトレーニングメソッド™(NeeDS Training Method:NTM)では、この“見る流れ”を明確にしています。

それが「視点フロー」「イメージフロー」「コーチングフロー」の3つです。

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① 視点フロー(身体を見る流れ)

まずは“視点フロー”。

これはトレーナーがクライアントの身体を見るときの「視線の流れ」のことです。

例えば、下の図のように、NTMでは足元から順番に見ていきます。

足元 → 下肢 → 骨盤 → 体幹部 → 肩甲骨 → 首

なぜ足元から見るのか?

それは、すべての動きの出発点が「地面」だからです。

人間は立って動く以上、地面との接点である足元からエネルギーを受け取り、それを全身へと伝えていきます。

もしこの“出発点”がズレていたら、その上にある骨盤や体幹もズレてしまうのです。

たとえば、ゴルフのスイングで「上半身が早く開いてしまう人」も、実は足の裏の重心が崩れていることが多いです。

つまり、「上半身の問題」ではなく、「足元から始まるエネルギーの流れ」が乱れているということです。

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② イメージフロー(動きをイメージする流れ)

次に「イメージフロー」。

これは、動きを観察するときにトレーナーが頭の中で描いておく“動きの順番”のことです。

力の発生源 → 力のベクトル → 水平軸と垂直軸 → 肩首の動き → 代償運動

この流れを理解しておくと、クライアントの動きの「どこで力が逃げているか」「どこにムダな動きが出ているか」が見えてきます。

たとえばスクワットをしているとき、重心がつま先に偏ると、力のベクトルは前方へ逃げます。

結果として、体幹が前に倒れ、首や肩が力んでしまいます。

これはまさにイメージフローの中でいう「垂直軸の乱れ」や「代償運動」が起きている状態です。

NTMでは、この“力の伝わり方”を理解することで、動作の本質を見抜く力を養っていきます。

ただ形を真似るのではなく、「なぜそう動くのか?」という理由を常に考えることが重要なのです。

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③ コーチングフロー(指導の流れ)

最後は「コーチングフロー」。

これは、実際にクライアントへ指導するときの流れです。

1. 観察する(見る)

 まずは静止姿勢や動きを観察します。

 足元・骨盤・肩・首の順で視点を動かし、ズレや不安定さをチェックします。

2. 分析する(考える)

 どの部位が原因でバランスを崩しているのか?

 力の流れはどこで止まっているのか?を考えます。

3. 修正する(伝える)

 声かけ・タッチ・補助などを使って動きを修正します。

 「膝を開いて!」などの指示よりも、「足裏で床を押してみよう」といった“感覚的な言葉”が効果的です。

4. 確認する(再チェック)

 修正後にもう一度動かして、改善が見られるかを確認します。

この一連の流れを繰り返すことで、動作の精度がどんどん上がっていきます。


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イメージラインを持つということ

次に大切なのが「イメージライン」です。

これは、クライアントの身体を“点と線”で透かして見る意識のこと。

例えば、下の写真のように、立っている姿勢では「垂直のライン」と「水平のライン」を想定します。

体幹・骨盤・膝・足首がそれぞれのライン上に揃っているかをチェックするのです。

• 正面から見れば「左右のバランス」

• 横から見れば「重心の通る線(垂直軸)」

このラインを持つことで、姿勢のズレを一目で捉えることができます。

ベースポジション(しゃがんだ姿勢)では、骨盤・膝・つま先の角度がどう交わっているか、肩や頭の位置がどう傾いているかを見る。

これがNTMでいう「イメージラインを持つ」という考え方です。

最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてくると頭の中に自然と線が浮かぶようになります。

この「見えない線」を描けるようになると、どんな競技でも動きの本質が分かるようになります。

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モーションキャプチャーと感覚のすり合わせ

今は便利な時代です。

高価な機材を使わなくても、スマートフォンのアプリで簡単に姿勢のラインを描けるようになりました。

静止画に線を引いて重心や角度を確認するだけでも、感覚が研ぎ澄まされていきます。

プロトレーナーを目指す人は、

「目で見た感覚」と「データで見た数値」をすり合わせることがとても大事です。

自分の“見る力”を養うために、

• 動画を撮る

• 静止画に線を引く

• 実際の感覚と比較する

この3ステップを繰り返すだけでも、指導の質が一段と上がります。

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見る力が「伝える力」につながる

「視点フロー」や「イメージライン」は、単なる技術ではありません。

それは、クライアントに“気づかせる力”でもあります。

たとえば、「膝が内側に入っていますよ」と言葉で伝えるよりも、

「この線から少しズレているね」と図を示して伝えるほうが、クライアントも理解しやすいのです。

見る力があるトレーナーは、

同時に“伝える力”があるトレーナーでもあります。

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おわりに

ニーズトレーニングメソッド™(NTM)は、単に体を鍛えるためのメソッドではありません。

それは“観察力”と“洞察力”を磨くためのメソッドでもあります。

足元から始まる力の流れを感じ、

点と線で身体をとらえ、

クライアントの動きを立体的に理解する。

この「視点フロー」と「イメージライン」を持つことで、

あなたの見る目は確実に変わります。

そしてその先にあるのは、ただの“トレーニング”ではなく、

「人の可能性を引き出す指導」です。

トレーナーとしての成長も、クライアントの変化も、

すべては“見る力”から始まります。

    

※写真左、オーバーヘッドスクワットで回旋時の視点とイメージライン(例)

※写真右、ワイヤーツイスト(体幹部に回旋の負荷を与えて)スクワットのスタートポジション時のイメージライン(例)

※モーションキャプチャーを使用した動画の静止画(ゴルフスイング)

おまけ:視点の流れは人生にも通じる 〜六甲道で学ぶ「見る力」の話〜

トレーニングでは、「どこをどう見るか」が大切。

でも実はそれ、人生でも同じなんです。

六甲道のNeeDSジムで、ある日スタッフ同士でこんな話をしました。

「トレーニングって、人の見方の練習やな」

「確かに!姿勢もフォームも、ただ見てるだけじゃ分からへんもんな」

そんな会話から、今回の“おまけ話”が生まれました。

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■人を見るとき、どこから見る?

たとえば初めて会った人と話すとき、

あなたはどこを見ていますか?

服装? 顔? 話し方?

それとも雰囲気?

トレーナーの世界では、まず「足元」から見るように教えます。

姿勢や立ち方には、その人の“生き方”が出るからです。

背すじがピンと伸びている人は、たいてい心も前向き。

逆にうつむき加減の人は、今少し疲れているかもしれません。

これって、トレーニング以外でも同じですよね。

人の本当の状態は、言葉よりも「姿勢」や「動き」に現れます。

だからこそ、NeeDSではスタッフ同士でも「まず観察」「次に理解」「そして声をかける」という流れを大切にしています。

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■見方を変えたら、世界が変わった

昔、あるクライアントがこう言いました。

「トレーナーさん、最近景色がきれいに見えるんです」

聞けば、トレーニングを始めてから姿勢が良くなり、呼吸が深くなったそうです。

身体が整うと、目線の高さが変わる。

目線が変わると、見える世界が変わる。

それはまるで、“視点フロー”の人生版のようでした。

私たちは日々、同じ景色を見ているようでいて、実は見えていないことがたくさんあります。

たとえば、神戸の街を歩いていても、

忙しいときにはビルの隙間の青空に気づかない。

でも、少し立ち止まって深呼吸すると、「あれ? こんなにいい風が吹いてたっけ?」と思うことがある。

それもまた、“見る角度を変えた瞬間”なんです。

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■ネガティブな日も「視点」を変えれば学びになる

人間、誰しも調子の悪い日があります。

トレーニングでも、人生でも、うまくいかない日ってありますよね。

でも、NeeDSメソッド的に言えば、それは「視点のフローがズレている」だけかもしれません。

たとえば失敗したとき、

「なんで自分はダメなんだろう」と思うのか、

それとも「何がズレてたんだろう?」と考えるのか。

この“視点の向け方”で、結果がまったく変わります。

「自分を見る目」が、心のフォームなんです。

六甲道のジムでも、スタッフがミスをしたときに怒る人はいません。

代わりに聞くのは、「どんな気づきがあった?」。

つまり、失敗を“エラー”ではなく“情報”として見る視点を持つ。

これも立派な「視点フロー」です。

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■トレーニングだけじゃない「見る練習」

最近は、SNSなどで情報が溢れています。

人の成功も、失敗も、比較も、すぐ目に入ってくる。

でも、トレーニングと同じで、「何を見るか」「どう見るか」を選ばないと、心が疲れてしまいます。

たとえば、誰かがすごい成果を出していたとしても、

「自分はまだダメだ」と見るか、

「自分にも可能性がある」と見るか。

この見方の違いが、行動の結果を左右します。

神戸の海沿いを歩いていると、海の色ってその日の天気で全然違うんです。

でも、海そのものは変わらない。

変わっているのは、“見る側”の自分。

それと同じで、現実は変わらなくても、視点を変えれば気持ちは変わるんです。

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■「見る力」は人を幸せにする

NeeDSのトレーナーたちは、筋肉を見るプロであると同時に、「人を見るプロ」でもあります。

だから、クライアントが元気がないときには、トレーニングよりもまず会話を大切にします。

「今日は少し疲れてるね。無理せず整えよう」

その一言で、救われる人もたくさんいます。

人を救うのは、特別な技術ではなく、“気づく視点”なのです。

この「見る力」は、家族にも、友人にも、職場にも生きてきます。

子どもの目線にしゃがんで話すこと。

部下のミスを叱る前に、背景を見てあげること。

パートナーの沈黙の裏にある不安を感じ取ること。

これも全部、“視点フロー”です。

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■おわりに:見えるようで、見えていないもの

結局のところ、人は「見えているつもり」でも、意外と本質を見逃しています。

それは身体でも、心でも同じ。

だからNeeDSメソッドでは、身体を通して“見る練習”をしています。

足元を見て、姿勢を整えて、目線を上げる。

その流れはそのまま、「生き方のトレーニング」なんです。

もし最近うまくいかないことがあったら、

少しだけ視点をずらしてみてください。

見方を変えれば、景色は変わる。

立ち位置を変えれば、人生の角度も変わる。

六甲道の空のように、あなたの中にも新しい光が差し込むはずです。

そしてその瞬間、あなた自身の“フロー”が始まります。

■視点を共有するということ

もう一歩踏み込むと、「見る力」は自分だけで完結しません。

人と関わる以上、視点を共有することが大切です。

たとえばトレーナー同士でも、「どの角度から見えているか」が違うと、意見が食い違います。

ある人は動作の“結果”を見て、別の人は“プロセス”を見ている。

お互いに「正しい」と思っているからこそ、ぶつかることもあります。

でも、そこでお互いの視点を理解し合うと、世界が広がるんです。

「なるほど、そう見えるのか」と気づけた瞬間、人は少し優しくなれる。

視点を共有できる人間関係って、安心感があります。

六甲道のNeeDSジムでも、スタッフがよくミーティングで「自分にはこう見えた」と言い合います。

これがチームの強さの源です。

家庭でも職場でも同じこと。

相手を変える前に、まず「どんな視点で見ているか」を共有してみる。

それだけで、関係が驚くほどスムーズになります。

「視点を合わせる」というのは、目線を下げることでも、譲ることでもありません。

ただ、相手の世界を覗いてみる勇気なんです。

そして、その優しい勇気こそが、NeeDSメソッドの根底にある“愛と敬意”のトレーニングでもあります。

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