今回はラーニングマトリックスについてです。

NTMシリーズ③でも少し触れていますので、参考にしてください。
http://nds-training.jp/blog/ntm03/

 

前回まで、そしてこれからの基本コンセプトも重要な部分ですのでしっかりと把握してからトレーニング指導を行って頂きたいですね。

 

「ラーニングマトリックス」とは、人が学習していく順番です。
人は「知らない事を知る」事から学習が始まり、反復学習を繰り返して「覚える・身につく」様になります。

 

ラーニングマトリックスは、「人には学習する順番があるのですよ」と言う事を端的に説明しています。

では、その順番を見ていきましょう。

 

『人は知らない事を知り、反復によってそれらを覚え、無意識化・自動化して身に付き、更に高度の学習を得る事が出来ます。』

この順番には４つの過程があります。

 

 

人が学習する前はどの様な状態でしょうか？

正しく効果の出るトレーニングもカーブの打ち方も速く走る方法も最初は分からないのですよね。

「知らないから出来ない、知らないからしない」状態です。（※もしくは、無意識にしている）

つまり、『①無意識、かつ、できない』状態です
そして、学習のファーストステップは、「知らない事を知ってもらう、意識していない事を意識してもらう事」から始まります。
しかし、人は意識したからと言ってすぐにその事ができるものではありません。

 

つまり、
『②意識できる、でも、できない』（頭で理解しているけど出来ない）

 

そこで、反復練習が必要になります。すると、いつか出来る様になります。

 

つまり、『③意識できて、できる』（頭で理解して体現もできる）
この確率が増えていきます。

 

この、②と③を行ったり来たりしている状態が『努力』している状態です。
ここで、「もうやーめた」と諦めると①の「意識しない、できない」状態に戻り学習が起こりません。

我々トレーナーや指導者が日々の業務で行っている事がこの①⇒②⇔③ではないでしょうか？

 

特に、②③では我々が選手やクライアントと共に努力する箇所と捉えます。エクササイズやトレーニングプログラム、練習メニューをドリル化して反復するという事です。

もちろん、最初は誰しもが、『②意識しているが、出来ない』の状態が続きます。
そして、時々、『③意識して、出来る』の状態になります。
しかし、また②に戻る事もあります。

 

この②⇔③の繰り返しの中で③の比率を上げる事が重要であり、決して途中であきらめて『①出来ないから、意識しない』（＝やらない）の状態に戻してはいけません。

 

そして、③の状態を持続させ『④意識せずに出来る』状態を目指します。
ここまでくると自動化が起こり、常に良い動きやパフォーマンスを出す事が出来ます。

また、③⇒④への移行間際でトレーニングの高度化・複雑化を行う事でより高いレベルの学習を行う事が出来ます。

 

※コオーディネーションの理論では完全に身体が覚える前に次の課題を与えます。④の前に別の学習に対する②の状態を作るという事です。それによりコオーディネーション能力が高まります。
「完全に覚える事」に執着しない事が後の技術を高める場合があります。

 

※①から②③を飛ばして④に行きつく人がいますが、これはいわゆる『天才』と言われる方です。努力なしで出来るわけですから。
しかし、巷で言われている『天才』も実はコツコツとこの「ラーニングマトリックス」の②③を行っているかもしれませんね…。

 

皆さんも、今一度この「ラーニングマトリックス」を意識してみて下さい。
そして、NTMの基本コンセプトも何度も読み返して、『④無意識にできる』状態にしてみてはいかがでしょうか？
かなり指導力があがりますよ！

 

次回は「NTM基本コンセプト」のラスト
複雑なものをシンプルに

 

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